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ヒャッカのある暮らし

2021.09.22

今日を明日につなぐ甘酒。/市岡祐次郎

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愛情とこだわりを持ってものを選び、心地よく使う人を紹介する「ヒャッカのある暮らし」。第2回に登場するのは編集者・フォトグラファーの市岡祐次郎さんです。

市岡祐次郎

1986年愛知県生まれ。自動車系メーカー勤務を経て、Webメディア「しゃかいか!」編集者・フォトグラファー。日本各地のものづくり現場を取材するほか、TAMグループのクリエイティブディレクターとして、企業・自治体向けのデジタルマーケティング支援なども手がける。

生き方ももの選びも“流れ”を大切に

開口一番「僕が暮らしを語るなんて恐れ多いです」と気さくに笑う市岡さん。その飾らない一言に、初対面にもかかわらず距離がぐっと近づくのを感じます。

市岡さんはWebメディア「しゃかいか!」のメンバーとして日本のものづくり現場を発信するほか、海外誌で撮影を手がけるなどフォトグラファーとしても活躍。既存の枠組みにとらわれず“なんか面白そう“にピュアに反応し、人や物事とフラットにつながっていく姿が印象的です。

学生時代の友人と

「以前は自動車系メーカーの経理部で働いていました。でもロジカルな仕事ゆえ脳みその半分だけ使っている感覚がぬぐいきれなくて。服やアートが好きだしクリエイティブにまつわる何かをしたいと思いはじめ、デザイン事務所に通ったり、友人とカメラ部を結成したり。興味のあることを模索した結果、今の働き方にたどりつきました」

たとえばフォトグラファーのキャリアは「アパレルのスタイリングブック用の撮影お願いできる?」という友人からの何気ない一言が出発点。当時、一眼レフを買ったばかりでほとんど経験はなかったそうですが「撮れる」と即答。カメラ本を1冊買って練習を重ね、撮影にのぞみました。一見いきあたりばったりにも感じますが、流れにゆるやかに乗ることでご縁がつながっていきます。

「僕の人生、だいたいそんな感じです(笑)シェアオフィスでたまたますれ違った台湾カルチャー誌の編集長に話しかけたことをきっかけにつながり、のちに撮影に呼んでもらえたこともありました」

撮影を手がけた海外の雑誌

何かを買う時も、目の前のものが生まれるに至った“流れ”を重視して選ぶのがモットーです。

「取材先や店頭でこだわりを聞くとつい手にとってしまいます。ものって出会った時は“点”ですが、作り手の大河ドラマ並みの苦労を知ると“線”として見えてきて物語性を感じる。単なる物質じゃなく、想いや自分の記憶とともにものと付き合うのが好きなんです。欲深いのかな(笑)」

風呂あがりの一杯がちょうどいい

「ヒャッカのある暮らし」も制作秘話にふれたことがきっかけ。6年前、金沢市大野町にある味噌屋の取材を機に、お風呂あがりの一杯の甘酒が習慣となりました。

「それまでもお祭りなどで飲む機会はありましたが、取材で伺ったヤマト醤油味噌の方にお話を聞いたことでより甘酒を好きになりました。北前船の寄港地として栄えた大野町の醤油醸造の歴史、そして長年受け継がれてきた麹菌によって発酵食の深い味わいが生まれていることを学んで。その場で買って飲んでみたら衝撃的においしかった」

「日本酒が好きなんですけど次の日に残るからあまり家では飲まないようにしているんです。その点、甘酒は冷やしても常温でもあたためてもおいしくて、深い甘みが特徴という日本酒に似た部分もありながら、“飲む美容液”と呼ばれるくらい体にいいから毎日続いています」

メーカーを問わずさまざまな甘酒を飲み比べる中で、一番のお気に入りが「玄米甘酒」。その思い入れたるや「見つけたら都度買っているので、累計30リットルくらい飲んでいるかも(笑)」と話すほど。豆乳と1:1で割ったり、氷をひとかけら入れてロックで飲んだりと味のバリエーションも楽しんでいます。

「玄米甘酒」ヤマト醤油味噌(日本百貨店店頭取り扱い商品)

その日の気分に任せてお気に入りのグラスを選び、考えごとをしながら飲むのもこだわりの一つです。

ロックで飲むときは四代目徳田八十吉さんの九谷焼で

「たいてい何かに追われているので、明日のTodoリストを頭で整理しながらくいっと飲むことが多いです。あっという間に過ぎゆく日々の中、お風呂あがりに甘酒を飲むひとときが今日を明日につなぐ橋渡しになっているのかもしれません」

一日奮闘した締めに甘酒を飲み干し、明日は新たな気持ちでクリエイティブを生み出す。忙しくとも市岡さんが等身大でいられるのは、できる範囲で日々をめぐらせているから。しなやかで気負わないその姿に感化された取材の帰り道、早速甘酒を買って帰った私でした。

関連商品

「玄米がユメヲミタ」山燕庵

玄米と米糀(こうじ)のみで作られている、ノンアルコール・ノンシュガーの玄米甘酒です。農薬・化学肥料に頼らない農法で育てられた、山燕庵のブランド米「コシヒカリアモーレ石川県産玄米」を使用。クリーミーな舌触りと優しい甘みが特徴です。

文文

忠地 七緒フォトグラファー/ライター

アイドルからライフスタイル誌まで幅広く撮影。飾らない一瞬を切り取り、写真と文を組み合わせた世界観のある表現に定評がある。2021年雑誌『あわい』出版。東京・清澄白河在住。

一つひとつのものが暮らしを形作るとしたら、楽しくちゃんと選びたい。「ヒャッカのある暮らし」では愛情とこだわりを持ってものを選び、心地よく使う人のスタイルを紹介します。日々のお買い物の小さなヒントとしてお楽しみください。

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