全国に12店舗ある日本百貨店。
お店ごとにその土地やお客様にあったお店作りをしているので、「え、ここ同じお店なの?」というくらい雰囲気も商品もバラバラなのですが、不思議と「日本百貨店らしさ」が伝わってくるんです。
それは、場所ごとに異なる個性を持ったスタッフたちが「好き!」な気持ちを原動力にお店づくりをしているから。
みんなどこか変わっていて、そこが一番の魅力である日本百貨店。きっとあなたと気の合う人もいるはず!
この連載は、そんなお店を形作る“ヒトビト”が、自分自身の「やってみよう精神!」をテーマに語っていく読みものです。
2回目に「好き!」を披露してくれるのは、いちかわ店の柿澤さん。
はたして、どんなエピソードが飛び出してくるのでしょうかーー。
日本百貨店いちかわ副店長の柿澤です。
もともとものづくりや建築に興味があって、古民家が残っているような、昔ながらの街並みを歩くのがすごく好きな私。
テレビ番組なら『和風総本家』。職人さんの特集や、海外で使われてる日本の道具の紹介、おもしろいですよね。
大学でアメリカ文化を学ぶうちに、むしろ日本のことが気になってきました。食とか生活とか、日本の文化には知らないことや心惹かれるものがたくさんあるんだなって。
歴史には詳しくないんですが、「昔ここに人が住んでいて生活を営んでいたんだな」と思うとぐっとくる。
カフェ巡りも好きですが、コーヒーは甘くしないと飲めません。
素麺ってこんなにかっこいいものだったんだ
日本百貨店に入って自分の中で大きかったことのひとつは、素麺が大好きになったことです。
いちかわ店の前にいた、秋葉原しょくひんかんでは、それぞれ担当のメーカーさんを持つんです。私は2社の素麺メーカーさん担当に。
でもそれまでは、素麺って「地味な…夏食べるもの」って思っていたんです(すみません)。
でも、そんな印象はガラッと変わりました。
素麺を作っている職人さんって、とってもかっこいい!
そしていろんなアレンジが美味しいんですよ。特に手延べそうめんがすごく美味しくて…。もっちもちなんです。素麺が。「ここにも私の知らない世界がある」って感動しました。
そのとき担当させていただいた、麺商ふるせさんとのうち製麺さんはどちらも長崎・島原にあって、ご近所さんということもあり古瀬さんと野内さんはすごく仲良しなんだそうです。
2018年の夏には素麺フェアというイベントでお二方にお越しいただいて試食販売をしました。私にとって大きなイベントは初めての経験だったし、メーカーさんと直接お話できたのがとても楽しかった。
試食販売では基本の麺つゆとまぜ麺を提供しました。麺商ふるせさんのまぜ麺は甘辛い味付けのたれが細うどんとセットになっているんですが、そうめんに絡めて食べる方法は新たな発見でした。のうち製麺さんもユニークな素麺アレンジをたくさん考案されていて、コーンスープの素と豆乳を割って食べるレシピもお客さんに試してもらいました。これもとってもおいしい!
「地味な素麺」が、職人さんに会って「かっこいい素麺」に。大好きになりました。
店頭での素麺づくり体験もやりたかったんですが、のうち製麺さんにある体験用の機械が大きすぎて運べなくて…。流し素麺企画もまとまらなくてまだできていないので、いつかやりたいです。
「おいしいもの」で知り合うコミニュケーション
私の日々の原動力は「おいしいもの」です。探すのも作るのもどちらも楽しい。店頭にあるのは生産者さんの思いの詰まったものばかりなので、売り手側としても見ているだけでも楽しいです。特にお菓子にはまっていて、本当に好きなものには感情がこもるからお客さんにもお伝えしやすいです。
いちかわ店で買える最近のお勧めは「田むらの梅」。梅餡を求肥で包んでさらに青紫蘇で手包みしたものなのですが、そんなの美味しいに決まってますよね!岩手の老舗和菓子屋松栄堂さんが作っていて3つ入っているのでプチギフトにもおすすめです。
「いらっしゃいませ」じゃなくて「こんにちは」の距離
駅と直結したビルの中にあるので通勤などで通る方や地元の方が多いいちかわ店。
今年の6月末にオープンして、もう顔なじみのお客様も何人もいらっしゃいます。「いらっしゃいませ」じゃなくて「こんにちは」って距離感。
「これ美味しかったんですよ」って私がおすすめした鶏そぼろ生姜大根をリピートしてくれるようになったり。豊緑園さんのもりもっ茶も、店頭の分を全部買ってくれるくらい気に入ってもらえたりして嬉しいです。
これはこういう食べ方したら美味しいですよとか、オススメしあっています。
お出汁も大好きなので店頭の試食販売でご紹介したいな。会社帰りの人たちにも飲んでもらいたいです。ほっとしますよね。
ただのお店じゃなくて、空間をつくりたい
私が入った当時は、「いつか自分のお店を持ちたい」って思っていて、今も形は違うけど描いてるものはあります。
それは今の日本百貨店みたいに、人が集まる空間をつくりたい。
それがカフェなのか民泊なのか…まだ形は分かりませんが、大好きな古民家を生かして、そういう空間を作りたいって思ってます。
うちに入ってくる人って、何かやりたいことがある人が多いんじゃないかなと思います。自分の考えを言いやすいし、やりたいって言ったらやらせてくれる会社って感じがします。多分。
私のことだけじゃなくて他のみんなのことも、将来何かやってみたいことがあるなら、それに向けてここでできることを一緒に探していきたい。
それができたら会社としても、その子の「好き」にも良いですよね。
日々出会う人々と、「この人はなにが好きかな?」っていうコミュニケーションをしていきたいですね。
日本百貨店のスタッフ一人ひとりにフォーカスをあてたインタビューコンテンツ。働く理由や仕事のこと、日々の暮らしの中で大切にしていることなど。「好き!」を原動力に働く個性あふれるスタッフの想いをご紹介します。