日本百貨店の店長たちが商品開発にチャレンジしてみたらどうなるんだろうプロジェクト日記
日本百貨店の店長たちの、店長たちによる、店舗オリジナルのPB開発プロジェクト。その名も『日本百貨店の店長たちが商品開発にチャレンジしてみたらどうなるんだろうプロジェクト』!作り手さんと二人三脚で、お客様が“真に求める”商品を開発しよう!手探りの中、奮闘する店長たちの日々をお伝えするため、私ミノシマが筆をとり、日記という形でしたためていきます。
10月31日「言葉ではうまく言えないけれど」
まちだ店の完成から時を遡ること数日。
本日はアドバイザーの青山さんを加えて、おみや店で開発中の「米粉のひとくちバターケーキ」のパッケージデザインについてのミーティングです。
早速ご提案いただいたデザイン案を見ていきましょう!
武井さん、よろしくお願いします!!
【A】
子どもがスタンプで遊ぶイメージと、ひとくちサイズをかけ合わせたデザイン。
商品名の文字は手描きのタッチ(かすれ)を残し、オーガニックでナチュラルな雰囲気を演出。
【B】
なめらかでコクのあるバターの風味を表現したイラストと、ひとくちサイズを視覚化した四角ベタで、お菓子の魅力をシンプルにメッセージ。
【C】
黄金色に輝く稲穂の田園風景を、温かみのあるタッチのイラストで表現。
どこか懐かしさを感じるトーンとお菓子のオーガニックなイメージをかけ合わせた。
ツバメマークが商品名を咥えていく遊び心も。
素晴らしい…。
お願いしてから僅か2週間で3パターンもご提案いただけるなんて!
と思っていたところ、「テンションが上がってしまって、もう1案作ってみました」と武井さん。
ここまでとはちょっと趣向は違うのですが…と言って見せてくださったのが、コチラ。
【D】
米の文字を単純化させたシンボリックなマークをアイキャッチにし、花が咲くようなイメージで、女性的な印象のデザインに。
武井さん曰く、「もっとも自分らしいデザイン」とのこと。
ざわ…
ミーティング内にどよめきが起きました。
あくまで私の感想ですが、ここまでのA〜C案は、ユニークでありつつも素材の安心感や作り手の背景などが読み取れる、視認性と信頼性の高いデザインに感じました。
一方で最後にご提案いただいたD案はシンプルながらもどこか心地良さと温かみがあり、見たことのないシンボリックなデザインではあるものの、ずっと前から知っていたような懐かしさを感じる、「オシャレ」とはちょっと違う、なんとも不思議な印象を受けました。
全部で4種類。
これは悩む…。
どれも素敵なデザインなだけに、ここから1つに絞っていくのは正直かなり骨が折れました。
可読性の高さや他の陳列商品とのバランス、店舗との相性等々、さまざまな観点からの意見で喧々諤々ではありましたが、最終的には青山さんの「イチ消費者の目線でみて、言葉ではうまく言えないけれどコレが一番良い」というご意見に一同納得。
そうなんです。
単体で置いても山燕庵さんの商品と並べてもどれもしっくりきて、うまく言えないけど良いんですよね。
我々だけでなく、今回のターゲット層でもある青山さんが直感的に「良い」と感じたことが全ての答えなのかもしれません…!
ということで、満場一致で【D】のデザインに決定しました!!
その後、英語表記の文言とレイアウトを一部修正して無事ラベルデザインが完成!
多くは語らず、どこか良い意味での“違和感”を感じるデザイン。
やっぱり良いですね…!
早速、完成したデザインをラベルシールにして印刷の具合をチェックします。
シールの素材を2種類に絞り込み、どちらが良いか悩むキウチ店長。
くっ…!
時間もないのにトコトンこだわる男だ…!!
そういうところ、嫌いじゃないよ!
シールの素材も無事に決まったことで、ついに!ようやく!!紆余曲折あったおみや店のPB商品が完成しました!!
やったー!!
武井さんより、今回のデザインを制作するにあたっての想いや狙い、伝えたいメッセージなどを頂戴しました。
最初に作ったデザインは、王道のアプローチだったり、ちょっとアート志向だったので、
もっと理屈を超えた印象的なデザインはできないか、スケッチを繰り返していたところ、
描いた「米」の文字が、どことなく「雪の結晶」に見えてきました。
もちろん、米には結晶はないのですが、
どこかロマンチックで面白い表現になる予感がしました。
「米」と「雪の結晶」、そして「花」が咲くイメージを重ね合わせ、
米粉の持つ優しさと和の雰囲気が浮かび上がりました。
お子様やお土産だけでなく、自分用にも。
皆に愛され、ご自宅のリビングや会社のデスクにもすっと馴染むデザインを目指しました。
武井さん、本当にありがとうございました!!
12月8日より、いよいよ店頭に並びます!
どうぞお楽しみに!
商品開発の経験ゼロの店長たちが商品開発に挑む社内プロジェクトがまさかの発足!店長たちはどんな壁にぶつかり、どう乗り越え、どんな感動的なフィナーレを迎えるのでしょうか?結末の見えない手探りの日々を、仕掛け人であるイベント企画部長のミノシマが、これまた手探りでお伝えします!