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2022.04.07

育種家が生む、日本生まれの花

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白とピンクのコントラストと小ぶりの花が愛らしいマーガレット。

これは、日本生まれの「いちごみるく」という品種だ。

1つの株から、多様な色の花を咲き分けるという個性的な特徴をもち、1種で二度おいしい楽しみ方ができる。

日本には、この「いちごみるく」のような個性的な品種を、花の種を交配して開発する“育種家”と呼ばれる花職人がいるのをご存知だろうか。

京都駅から電車で8分。向日町駅から少し歩いたところに『シミズナーセリー』はある。 一面に色とりどりの花々が広がったビニールハウスの中から、明るく出迎えてくれたのは育種家の清水登さんだ。

父親が営んでいたシミズナーセリーを清水さんが継いだのは、かれこれ30年以上前。

当初は生産だけだったが、自分だけのオリジナル品種を生み出してみたいという想いから、育種を始めたという。

今では、京都唯一の育種家として、あらゆる種類の個性的な品種を生み出している。

長年にわたり試行錯誤を重ねる「育種」という仕事

これまで、清水さんが育種してきたのは、ハボタンや、マーガレットなど様々。

育種を始めてから、世の中に届けられる品種が完成するまでは相当な時間がかかるという。

最初にあらゆる種を交配させ、育ったものの中から良いものだけを選別し、さらに改良を繰り返す。

5年、10年と試行錯誤を繰り返すことで、やっと新しい品種が完成するのだ。

それだけ時間がかかるのは、選別の際の“良い花”の条件が、見た目の色や美しさだけではないことも理由のひとつ。

日本で育てるためには、日本の気候や環境の中でも育ちやすい株にする必要がある。

例えば、ヨーロッパは真夏といっても日本の5月頃の気候までしか上がらない。
そのため、どんな品種でも比較的きれいに育ちやすいんだそう。

ただ、夏は猛暑で梅雨もある日本では、気候の変化に強くないと上手く育たないのだ。

「見た目だけがいいものなら、いくらでもできる。花が良くて、株が弱いものができたなら、今度は株が強いものを交配してみる。そういった改良をひたすら繰り返すことで、すべての条件が揃った品種が完成するんです。」

購入者が長くお花と過ごせるように…

また、育種をする上で、清水さんが特に大切にしているのは、花を購入したお客さんが長く育てていけるかどうか。

例えば、母の日のプレゼントとして5月に贈られるマーガレットは後に控える夏に強いように、お正月に飾られるハボタンは、冬の寒さに耐えられるように作られている。

「花屋に並んでいるときが一番綺麗な状態だと意味がない。買った人が育てやすいためには、どうしたらいいかということを一番に考えています。」

購入した人が簡単なお手入れで育てられるように、一般的な鉢植えで育てやすい株を作ったり、水をあげたときに肥料が溶けるように土に肥料を混ぜるなど、工夫しているそう。

また、品種によって温度帯を変えており、花屋に出荷する前には、その時の気候に合う温度に慣らしてから出荷するのだという。

清水さんが育種した品種には、消費者への思いやりが細部まで込められているのだ。

また、清水さんは花の流行のチェックもかかさない。

花も時代に合わせて流行や好みが変わっていく。
また、欧米と日本では色の好みも違う。

日本好みの色味を選ぶことも日本の育種家として重要なことだそう。

清水さんが育種する花々から、どこか和を感じるのはそういった部分からなのだろうか。

今後の展望を聞くと、「新しい品種の開発や、従来ある品種の色違いなどにもチャレンジしたい」と清水さんは答えてくれた。

「気候や流行が毎年変わる中で、先を見るのは途方もないように思える時もありますが、自分が生み出したお花が出荷されていくとやっぱり嬉しい。今後もお客さんに喜んでもらえるような品種を作っていきたいです。」

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今回のヒャッカ

マーガレット「あんずな気持ち」×香彩堂 お香 雅

2021年に初登場した新品種「あんずな気持ち」には、京都生まれのお香を添えて。いつも頑張るおかあさんに、美しい花を愛でながら、華やかなお香の香りでゆったりやすらぐひと時をプレゼントできます。

マーガレット「いちごみるく」×加藤萬 かやのふきん

白とピンクの配色が可愛らしい「いちごみるく」には、同系色のふきんをセットに。京都の職人によって丁寧に染め上げられた万能な蚊帳ふきんは、使うほどに柔らかな手触りに。料理や洗い物はもちろん、ハンカチの代わりとしても大活躍です。

全国各地の作り手さんと、作るモノ、そしてそのこだわりに迫る企画。日本百貨店が出会った、日本のモノヅクリの技術と精神、その裏にあるヒトの心とは。

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