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リレーコラム

2022.04.05

心の記憶を捉える スナップフォトの魅力

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商品写真など社内の撮影をしている本社スタッフAです。
リレーコラムということで、今回は仕事で撮っている商品写真とは違うスナップフォトの魅力についてお話ししたいと思います。

スナップフォトとは、きちんとライティングされた人物撮影(ポートレイト)や物撮り撮影ではなく、日常の中で風景や光景、人物などを一瞬のうちに素早く撮影する撮影技法を指します。

今は仕事の写真は全てデジタルですが、自分が写真と出会った頃はまだまだフィルムカメラの時代でした。
父親のアサヒペンタックスSPに標準レンズをつけて持ち出し、毎日あれやこれや撮影していました。
1週間ぐらいで36枚取りフィルムを1本撮り切り現像へ出します。カラーで当日、白黒フィルムで3日間ぐらいの仕上がりだったと思います。
毎回期待しながら出来上がりを見るのですが、暗すぎたり、明るすぎたり、ブレていたりと
なかなかうまく撮れていない事も多く、あの時のあの瞬間はいけていると思っていたのに、と悔しい思いをしながら、露出、ピント、構図などを日々身につけたような気がします。
現像までの時間や、フィルム代、現像代、プリント代など、金銭的にも大変で手間のかかる時代でした。
1枚1枚プリントするのはお金がかかるので印画紙にネガフィルムを並べて直接プリントするベタ焼きにして、後から気に入ったコマのみ引き伸ばしたりしました。

ベタ焼き(何やら芝居の稽古風景のようです)

さて、そうやって日々写真を撮り続けていると、面白いことに何気ない風景や日常が1枚の写真として見えてきます。
今このタイミングでこの構図で写真に撮ったら、何か良い感じになるだろうな、と言う感覚です。
頭の中で「今だ、そこだ、シャッターを切れ」という声が聞こえてくるのです。
ちょっとヤバい人みたいですが…
そんな不思議な写真感覚が身についてくるのです。

ふとした瞬間にやってくる写真感覚に従い、何気ない風景、グッと目を引く光景、見知った人たちの不意に見せる表情、次々とシャッターを切っていきます。

写真感覚と言うのはその瞬間は余りきちんと意識できていないのですが、その日の感覚・感情にマッチした風景や光景などに出会うと生まれる様な感覚かもしれません。

特別な記念日とかではなく(もちろん記念日でも良いですが)、日々の生活の中でその日その時の感覚・感情で感じ取った、記憶に残らないようなささやかなものを写し撮っていきます。
同じ様な風景・光景を見たとしてもその時の感覚・感情がマッチしなければきっとシャッターを切ることはないでしょう。
結果、当然のことながら撮った写真には感覚・感情までも写り込んでいる気がします。

時間が経ってから写真を見返すと、
撮った当時の感覚・感情を感じ取り、それと共に忘れてしまっていた記憶が蘇ります。
なんでもない日々の中で、心の中に何か響いた瞬間の特別な心の記憶を呼び起こす、
スナップフォトにはそんな魅力があると思います。

また、他の撮影者のスナップフォトを見た時も、撮影者のその瞬間の写真感覚を感じ取り、自分の中の似ている記憶の断片と結びつけ共感したりします。
それもまたスナップフォトの魅力の一つだと思います。

今は、ほとんどの人が持っているスマホに、高性能なカメラが付いている時代です。
以前よりももっと気軽に写真を撮ることができるので、みなさんもこの写真感覚をすでにお持ちではないかと思います。
その写真感覚を受け止め、なんでもない日々の中にある、特別な心の記憶を是非たくさん残してみてください。

たくさんのモノたちに囲まれて働いている私たち日本百貨店スタッフ。 どんなことを思いながらどんな日々を過ごしているのか、思い思いに日記を綴り、リレー形式でバトンを繋いでいくコラムです。 日本百貨店はこんな私たちでお届けしています、ということを皆様に知って頂ければこれ幸いです。

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