日本百貨店
search
search

ハタラクヒトビト

2021.12.20

日本百貨店に入社して、人生が豊かになりました
ハタラクヒトビト9人目/入社歴8年、商品企画部の安齋さん

ShareFollow us

ハタラクヒトビト

ShareFollow us

9人目の“ハタラクヒトビト”は、商品企画部に所属し商品管理グループグループマネージャーとして商品管理全般を行う入社歴8年の安齋さんです。(文:ライター貝津)

きちじょうじ店へアルバイトで入社後、約1年でおかちまち店の店長に抜擢。その後、各店のフォロー、新人育成、社内研修、商品の買い付けなど幅広く社内業務に携わり、商品企画部が確立されて以降は、商品管理グループグループマネージャーに就任。その傍らバイヤーも兼任するという、日本百貨店には欠かせない存在です。

「役職や肩書きに縛られず、フレキシブルにやりたいことに挑戦させてもらえる環境だったことが、長く働き続けられた理由だと思います」

そう楽しそうに話す安齋さん。日本百貨店に入社してからの8年間を伺うと、お客様との思い出、仕事への向き合い方、人生の変化など、宝物のような経験がたくさん詰まっていました。

コンシェルジュのように、一緒に考え提案する接客がしたい

日本百貨店を知ったのは、新卒で勤めていた半導体の製造装置メーカーを退職したときのこと。すぐに転職活動はせず、しばらくゆっくり過ごそうとアルバイト先を探していました。日頃からいろんな生き方や働き方を紹介する求人サイトを眺めるのが好きだったので、読み物として楽しみながら求人情報を見ていると、「日本百貨店しょくひんかんのアルバイト募集」の文字が目に留まります。

メーカーで働いていた当時、自社で作るものに愛着を持って働ける楽しさを感じていて。せっかくアルバイトをするなら、ものづくりに関わる仕事がしたいと応募することに。なんとなく楽しそう!という気持ちのまま、面接を受けに行くことにしたのです。そこでびっくりしたのが、なんと面接担当が、創業者の鈴木だったことでした!当時は店舗が、しょくひんかん・おかちまち店の2店舗だったこともありアルバイトスタッフも鈴木直々の面接だったようです。

面接ではお客様にどんな接客がしたいか?を話しました。もともと人にものを贈るのが好きで、友人からは「選ぶセンスがいいね!」「目の付け所がいいね!」と言われることも多くありました。もしかしたら、贈りものを選ぶことが得意なのかもしれない。それならば店頭に立つときも、お客様に寄り添い、求めている商品を一緒に考え提案するコンシェルジュのような丁寧な接客ができたらすごく面白いんじゃないかと。

すると鈴木から、「それであれば、雑貨を多く扱う『きちじょうじ店』が合うんじゃないかな?」と前向きな言葉をもらいます。当初はアルバイトで楽しく働ければ……という気持ちだったのですが、やりたいことに自由にチャレンジさせてもらえる風土に魅力を感じ、最終的には「アルバイトじゃなくて社員になれますか?」と聞くほど(笑)、働きたい気持ちが膨らんで、前のめりで「ぜひ!お願いします!」と答えていました。

「聴く接客」がしたい。転機となったお客様からの手紙

入社から8年、目指していた「ものを選ぶコンシェルジュ」になれるよう「聴く接客」を心がけています。普段の生活スタイルや愛用しているもの、好みの色やデザインなどをお客様に色々とお話してもらうなかでご自身で商品を使用するイメージを広げてもらい、「それであれば、この色があわせやすいと思います」「この種類がおすすめです」と提案するようにしています。

以前、南部鉄器の鉄瓶を買おうとご来店されたお客様がいたのですが、この商品は二価鉄(にかてつ)と呼ばれる鉄が含まれ、使用する度にお手入れをしないと道具が育たずに錆びてしまうんです。利用シーンを伺うと「日常でお茶を飲むときに使いたい」とのことでした。使用後に空焚きなどして丁寧に乾かすことが必要という使用上の注意点をお伝えすると、自分の生活スタイルでは使いにくいかもしれない、と。

それであれば、ホーロー加工(金属の表面にガラス質の釉薬(うわぐすり)を塗り高温で焼き付ける加工)の急須が空焚きなどの手入れもなく使いやすいかもしれない。そう思い、「こちらであれば、毎日の生活に取り入れやすいと思います」とご提案。鉄瓶と同じ南部鉄器のデザインのものをご用意したこともあり、ご満足いただけました。

弊社は伝統工芸品から普段使いしやすい商品まで幅広く扱っているので、本当にお客様が求めている商品はなにか?を丁寧に伺うことは大事にしています。私の持ってる商品知識をお伝えし、納得して選んでくださったときはすごく嬉しいですね!

そうした丁寧な接客を心がけるなかで、一度お客様からお手紙を頂戴したことがありました。

地方にお住まいのご年配の方がおかちまち店に来店され、お孫さんへのプレゼントとしてブリキのおもちゃを購入されたのですが、初期不良があったようで。しっかりとお詫びをしたあと、なるべく安心感を持っていただけるよう丁寧に対応をしました。そして良品をお送りしたあと、お手紙が届いたのです。

「すごく良い対応をしてもらいありがとうございました。私が子どもの頃に遊んでいたブリキのおもちゃにそっくりだったので、孫にも贈りたいと購入しました。ぜひまた東京に行く機会があればそちらにお伺いして、同じようにブリキのおもちゃを買って帰りたいと思います」

お手紙には、購入してくださった背景や感謝の言葉が丁寧に綴られていました。嬉しかったですね……!商品不良の対応は難しい場面なのですが、むしろ「また来たい」と思っていただけるような対応ができたことは自信になりました。店長になりたてで戸惑ってた時期でもあったので余計に励まされ、自分のやり方を信じてやっていこう!と思えるきっかけになったお手紙です。今でも大切に保管しています。

疑問は放置しない。社内メンバーが働きやすい土壌を整えるために

きちじょうじ店での勤務、おかちまち店での店長経験を経て、現在は商品企画部に所属し、商品管理グループグループマネージャーとして商品に携わるすべての業務を担当しています。細かな仕事でいうと、社内システムの登録情報の整理をしたり、メーカーへ商品情報の確認で電話をかけたり、商品状態の確認をおこなったり。バイヤーも兼任しているので、商談会にも足を運びます。

特に、ここまでが自分の仕事、ここからは◯◯さんの仕事、と区切られていないため、社内を見渡し必要だと思うことを進める日々です。誰かから仕事を与えられるのではなく、自分で考えながら仕事をつくる。そうやって社内を整えていく過程は、やりがいがあり面白いですね。

とはいえ最初から商品管理の仕事ができたわけではなく、店舗での経験が土台になってくれています。店長としてスタッフ育成に携わってきたからこそ、店舗で働く社員の要望や課題がわかる。現場を知っていればメーカーとやり取りするときにも、店舗として何が必要で、どういう形で協力してもらうのが良いのか?商品は何をどれくらい仕入れたらいいのか?現場で培った経験値をもとに商談を進めることができます。

商品企画部が社内体制を整えられれば、取引先、卸先に情報を出しやすくなり、社外への発信もしやすくなる。お客様にきちんとした商品情報を届けることにつながります。社内のメンバーが働きやすい土壌を整える。それが今の私の役割ですね。

仕事をする上で心がけていることは、気になったことをそのまま放っておかないこと。疑問に思ったことは確認が取れるまでやり切る。おそらく、これも店舗で働くなかで徐々に身についたものですね。商品に触れながら、どうしてこの形、色をしているんだろう?と毎日考えていた癖が、身についたんだと思います。

同じダルマでも、こっちの顔つきと、こっちの顔つきが違うのはどうしてだろう?とか、そもそもなんでダルマに目を入れるんだろう?とか。少しずつ商品知識がつくと当たり前だと思っていたことを疑問に思うようになるんです。そこから調べたり掘り下げたりすると、どんどん世界が広がっていく。

今の仕事でも、そもそもこの商品管理の方法でいいのだろうか?この情報の出し方で大丈夫だろうか?と、疑問に思ったことは立ち止まり、必要であれば改善するフローを組めるようになりました。そういうものだから。と言われてしまえばそれまでですが、「なぜだろう?」と疑わないとその先は広がっていかないので。性格はのんびり屋なのですが(笑)、仕事に関してはちゃんと確認したくなる性分ですね。

日本百貨店に入社して、人生が豊かになった

入社から8年、領域を超えてさまざまな仕事を経験させてもらいました。スキルや実績も積んできた。でも何より嬉しいのは「日本百貨店に入社して、自分の人生が豊かになったな」と感じることです。

入社当初、ものへのこだわりがそれほどなかった私も、商品知識を覚え、作り手さんの背景を知ると、ものを見る目が養われて日常が楽しくなりました。今では集めた雑貨や器が自宅にいっぱいあって、弊社で取扱いがあるものの中では、個人的には陶芸家・木村勲さんの器が大好きです。使い込むことで手に馴染み、より良さが出てくる。繰り返しの毎日だとしても、ひとつお気に入りの器があるだけでちょっと気分が変わる豊かさを知りました。

それに、日常生活のなかで作り手さんの話を聞く機会ってほとんどないじゃないですか。この仕事だからこそ、ものが作られる過程や作り手の想いを直接知ることができる。先日も備前焼の窯元さんにお邪魔して窯の見学をさせてもらったのですが、話を聞くなかで色や形の成り立ちを知ると愛着が湧くんですよね……。その場で、欲しい!と自宅用に備前焼を買って帰ってきちゃいました(笑)。自分の世界を広げてもらった。そういう意味で、人生自体が豊かになったと感じますね。

リブランディングをした「新しい日本百貨店」を体験してほしい

会社設立から10年が経ち、リブランディングをした弊社ですが、今後はこれまでとまた違う日本百貨店のあり方を見てほしいなと思いますね。

人のライフスタイルってこの10年で大きく変わったと思うんです。人々の価値観もどんどん変化している。弊社も新しい生活様式に合わせ、さらにユニークな切り口でニッポンの百貨をお届けしていく予定なので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

もちろん、私自身も企画から入り「日本百貨店、なんかおもしろいことやってるね!」と言っていただけるよう日々想いを込めて施策作りを進めています。

「リブランディングって、実際どんなふうに変わったんだろう?」

と、気になる方は、ぜひ店舗に足を運び変化を体感してみてください。

雑貨でも、食品でも、作り手の想いでも、店舗の雰囲気でも、弊社のコンセプトでも、毎日が楽しくなる情報やアイテムがきっと見つかるはず。わくわくする何かを一つでも持ち帰っていただけたら、とても嬉しいですね。

日本百貨店のスタッフ一人ひとりにフォーカスをあてたインタビューコンテンツ。働く理由や仕事のこと、日々の暮らしの中で大切にしていることなど。「好き!」を原動力に働く個性あふれるスタッフの想いをご紹介します。

その他の読み物